2016年9月14日水曜日

日常の人の声からしばし離れて



季節は秋へと向かっています。私の暮らす都南教会の住まいでも、コオロギの奏でる音が大きくなっているように感じます。この虫の音、人によって感じ方は違うようです。

日本人は他国の人たちに比べて、虫の音に感性を働かせる傾向が強いと聞いたことがありますが、でも日本に暮らす人によってもきっと異なることでしょう。耳に響く自然界の音色はそれぞれであり、それで良いのです。

私たちの耳や目、あるいは心に届くものには、自然界の営みから聞こえて来る音の他に「声」があります。人の声、そして神の声がある。でも私たちがいつも聞いているのは人の声であり、私たちの日常に溢れているのは人が作り出した声ばかりです。おびただしい人の声の中で、かき消されてしまっている声、それが「神の声」ではないかと思います。

この「神の声」は聖書を通して、イエス・キリストの教えを通して語られているのです。これは、それぞれの好みで雑音のように聞いてはいけない大切な声なのです。しばし日常の喧騒から離れ、周囲のおびただしい情報の声のボリュームを絞り、この声に耳を傾けようとするならば、きっとあなたのからだを響かせる恵みの声が聞こえて来るに違いありません。

慌ただしい生活から少しばかり離れ、お近くの教会をぜひお訪ねください。「神の声」に耳を傾け、神に賛美と祈りを献げる群れに出会うことでしょう。

2016.9
日本福音ルーテル教会
総会議長
立山忠浩