2016年5月15日日曜日

言葉の回復


 教会は聖霊降臨日・ペンテコステを迎えました。聖なる霊が使徒たちに注がれ、これを契機にして使徒たちが教会を築いたのです。聖霊降臨日が教会の誕生日と言われる所以です。

 この日に起こったことはそれだけではなかったのです。「言葉の回復」がそれでした。
旧約聖書の「バベルの塔」の物語には、当時の人々が言葉を乱用したために神の怒りを買ったことが書かれていますが、聖霊降臨日には言葉が本来のものに回復したのです。

 私たちの日々の生活を振り返るときに、言葉や情報というものを、ただ自分の生活や仕事、趣味や楽しみのためだけに使っていることに気づくのです。でも、それだけでは空しいのです。いつしか潤いを失い、ぎすぎすしたものになり、人を傷つけ、自分も傷を負うことに終わりかねないのです。

 言葉の回復。
 それは、言葉が本来神と共に、神のもとにあることを忘れないことです。「初めに言葉あった。言葉は神と共にあった」(ヨハネ1:1)とあるように、神の言葉を何にもまして大切にすることが言葉の回復につながるに違いありません。

 日曜日は一週間の始まりの日です。
 いや、一週間のいつの日でも良いのです。自分にとっての始まりの日に、神の言葉に出会う時を持ちたいものです。

 お近くの教会をぜひお訪ねください。きっと心から歓待されることでしょう。

2016.5.15 
日本福音ルーテル教会 
総会議長 立山忠浩